OUR STORY
イギリスでの留学を終え、ユリアはポーランドのAcademy of Art にて彫刻を、エリカはオーストラリアに渡りImage Management Film&Television Screen Acting courseにて演技、画家Archie Graham氏の師事を受け油絵を学ぶ。
70年代の日本を彷彿とさせるようなエネルギッシュなパワーに魅せられ、1999年に姉妹はタイに住居を移す。ユリアはアートを学びつつ脚本・詩などを書き始め、エリカはKalwin International Instituteで衣装デザインを学ぶ。日本とタイを往復しつつ芸術家としての道を歩み始めた姉妹は、やがて二人の才能を融合させて一つの大きな作品を制作したいと考えるようになり、バンコクで絵画の個展を開催し自主制作映画の制作費を集める。愛媛県の島を舞台にしたキッチュなガールズフィルムである第2作目の自主制作映画「TUTU」が「ぴあフィルムフェスティバル」に入選。
2002年からは本格的に拠点を故郷の愛媛に移し、“世界が舞台”をモットーに子供たちを主体とした何色にも染まらない独特で幅広い芸術活動を行うTORANOKO Performing Arts Companyを立ち上げる。TORANOKOは、日本ではまだ馴染みの薄いPerforming Artsの分野を感性豊かな子供たちとともに切り開き、日本の地方都市にいながらグローバルな視野を持った活動を行う画期的な総合芸術グループである。その先駆けとして発表したのが、愛媛の山間部にある熱帯植物園を舞台とし、ダンスと音楽を融合させた芝居「残夢」公演である。芸術を通しての町の活性化プロジェクトとしてスタートした本公演は2009年よりスタートし、9年間にわたるロングラン公演となった。「残夢」公演の芸術性が高く評価され、2010年にはポーランド・ケルツエ市市制1000年記念芸術祭に招待され、ポーランドの3都市にて「残夢2010」を8回公演し、延べ2000人を動員。実演者の少女たちはジャパニーズエンジェルと呼ばれ人気を博した。
2007年、「TUTU」のぴあ入選をきっかけにユリアが、2009年にエリカが早稲田大学大学院国際情報通信研究科に入学し、恩師である安藤紘平教授に出会う。2008年、ユリアは大学院時代に日立maxell・ぴあからの依頼を受け短編映画「Canna Lily」を監督。一方エリカは2009年 にShort Film「Miuro」を監督し、初監督にして下北沢映画祭グランプリ候補に選出された。二作品とも、TORANOKOの子供たちによるダンスシーンを大きくフューチャーし、ミュージカル映画の復権に挑んだ意欲作である。
寺山修司と共に天井桟敷で活動した経験を持つ安藤教授からの勧めもあり、2011年より寺山修司の少女詩集を元にした舞台制作をスタートさせる。2011年、寺山修司原作「踊りたいけど踊れない」を東京にて公演。2013年、日本文化を世界に紹介する”JAPAN WEEK IN POLAND”に参加。ポーランド、ポズナン市のオペラ座にて寺山修司原作「思い出盗まれた」を上演し、寺山の天井桟敷と同じくヨーロッパ公演を実現させた。2014年、文化庁「メディア芸術祭 松山展」にてメディアパフォーマンス、寺山修司原作「踊りたいけど踊れない」を上演。2015年、残夢2015・寺山修司原作「海のリボン」 を熱帯植物園にて上演。寺山の元夫人で演劇・映画プロデューサーの九條今日子さんからのサポートもあり、姉妹は寺山作品の次世代の後継者として注目が集まっている。
2015年から、世界各国の映画祭で80以上の受賞をしているアニメーション作家・山村浩二氏の「マイブリッジの糸」(第15回文化庁メディア芸術祭優秀賞受賞)とのコラボレーション企画、メディアパフォーマンス「マイブリッジの糸」を始動。2016年、ポーランド、プシェミシル市国際芸術祭に正式招待。満を辞して開催された国内公演として横浜、BankART Studio NYKにて公演。映像(アニメーション)と演劇、ダンス、音楽を融合させた総合芸術、メディアパフォーマンスという分野を確立した画期的な公演となった。2017年ポーランド、クラコフ市“Etiuda & Anima国際アニメーション映画祭”に正式招待され、本映画祭で初のライブパフォーマンスを成功させる。ポズナン市“Teatr Muzyczny”にて公演、ワルシャワ市“Dom Stuki WIOLINOWA”にて上映会を開催。クラコフの映画祭では立ち見が出るほどの満員、ポズナニでは前衛的なパフォーマンスが高い評価を得て、観客を魅了した。
2019年、寺山修司の少女詩集から着想を得た映画「赤糸で縫いとじられた物語」を制作。監督、脚本、美術監督をユリアが、プロデューサー、衣装、音楽プロデュース、出演をエリカが務め、抜群の美的センスで観る者を魅了する独特の世界観を創り上げ、世界各国の映画祭で高い評価を得た。
Chopin Village Festival 2020のオンライン上映のために制作したミュージックビデオ “Hide & Seek”が、世界の音楽映画祭で受賞。音楽の分野でも独自のアートセンスを発揮し注目を集めている。
2021年、短編映画「寓」(石原理衣 & 小野川浩幸監督)にアートディレクターとして参加し、美術、衣装、ヘアメイクを担当。 シッチェス映画祭にてBEST SHORT FILM NEW VISIONを受賞。
2022年、JAPAN FILM COMMISSION企画の日本プロモーション映像「33 Thirty three」を 制作。
第75回 カンヌ国際映画祭・JAPANブースにて上映される。11月、太宰治原作「女生徒」を内子座にて上演。レトロ~ポップミュージックが全編に流れる、世代を超えたエンターテイメントで大好評を得た。
2024年、イギリスの現代アート賞「AESTHETICA ART PRIZE」(LONG LIST ARTIST)受賞。
太宰治の小説“女生徒”から着想を得た短編映画「俗天使」を制作。
姉妹には日本のアヴァンギャルドなアート作品を受けとめる特異な感受性が備わっており、彼女らはアーティスティックな言語を多感な少女たちを通して、美しくそして思慮深く表現している。それは新たな芸術、新たな世界観を生み出す試みである。TORANOKO Performing Arts Companyでは歌、ダンス、演技、アートのレッスンを通して高いパフォーマンススキル及び人間性を育む教育を行っており、美しくしなやかに鍛えられた身体を有し、気品と優雅さを兼ね備えた子供の育成には世界的に高い評価を得ている。